2026年11月(旧暦10月)|沖縄旧暦カレンダー☆竹富島の種子取祭(タニドゥル)と立冬の節

◇2026年11月は、沖縄の旧暦では9月22日から10月22日にあたります。
この時期は、竹富島で行われる「種子取祭(タニドゥル)」が国内外から注目される、沖縄旧暦行事のなかでも特に知られた月です。
そのぶん、酉の市や七五三といった全国的な行事も重なりやすい時期です。
この記事では、2026年11月の旧暦行事カレンダーをもとに、種子取祭の日程や家庭での拝み方、カママーイ(竈巡り)、この時期の節気まで、わかりやすくご紹介します。
目次
2026年11月は旧暦9月22日〜10月22日

◇2026年の新暦11月は、沖縄の旧暦では9月22日から10月22日にあたります。
沖縄では旧暦10月を「アキハッティージューグァッチ(飽き飽きしちゃう十月)」と呼び、独自の旧暦行事が比較的少ない月とされています。
そのぶん、竹富島の種子取祭(タニドゥル)や、全国的な酉の市・七五三といった行事が目を引く月でもあります。
2026年11月に訪れる旧暦行事・全国行事・節気は、以下のとおりです。
●チイタチの拝み・カママーイ(竈巡り)
・2026年11月9日(月)
・旧暦10月1日
●竹富島の種子取祭(タニドゥル)|奉納芸能
・2026年11月12日(木)〜13日(金)
(開催期間全体:11月6日(金)〜15日(日)の10日間)
●ジュウグニチの拝み
・2026年11月23日(月)
・旧暦10月15日
●文化の日
・2026年11月3日(火)
●一の酉
・2026年11月7日(土)
●七五三
・2026年11月15日(日)
●二の酉
・2026年11月19日(木)
●勤労感謝の日
・2026年11月23日(月)
●秋土用明け
・2026年11月6日(金)
●霜降
・2026年10月23日(金)〜11月6日(金)
●立冬
・2026年11月7日(土)〜21日(土)
●小雪
・2026年11月22日(日)〜12月6日(日)
「アキハッティージューグァッチ(飽き飽きし果てちゃう十月)」と呼ばれるのは、旧暦9月までの正五九月や年中行事が一段落し、収穫を落ち着いて迎える時期にあたるためです。
とはいえ、離島では今も種子取祭が盛大に受け継がれています。
竹富島の種子取祭(タニドゥル)|11月6日〜15日の10日間

◇国の重要無形民俗文化財にも指定されている、竹富島の種子取祭(タニドゥル)。
2026年は11月6日(金)から15日(日)までの10日間にわたって行われます。
・開催期間:2026年11月6日(金)〜15日(日)
・奉納芸能:11月12日(木)・13日(金)
奉納芸能は11月12日(木)・13日(金)
◇祭りが最も盛り上がるのは、7日目・8日目にあたる11月12日(木)・13日(金)の「ユークイ(世乞い)」。
10日間のうち、最初の5日間は稽古や準備期間、6日目は身を慎む「禁忌」の日にあたります。
御嶽(ウタキ)前や仮設舞台で、島民総出による伝統舞踊や組踊などの奉納芸能が披露されます。
夜には神女(ユタ・ノロ)が島の家々を巡り、それぞれの家の豊作を祈願して回ります。
祭りの期間中は、竹富観光センターなど島内の観光サービスが一部休業・制限されることも多いため、訪れる際は事前に営業状況を確認しておくと安心です。
地域で異なる呼び名(タントゥイ・ウヤガン・タナドゥイ)
種子取祭は沖縄各地に伝わる行事で、地域によって呼び名や規模が異なります。
・沖縄本島…タントゥイ
・宮古島…ウヤガン(祖霊御願)
・八重山地方(竹富島など)…タナドゥイ・タニドゥル
沖縄本島の「タントゥイ」は集落・家庭単位の比較的簡素な行事である一方、竹富島の「タニドゥル」は10日間にわたる大規模な行事として今も受け継がれています。
宮古島の「ウヤガン」は、門中(父方の血族)の宗家「ムトゥ」を中心とした祭祀行事という点で、また違った形をとっています。
家庭で行う種子取祭(タントゥイ)の拝み方

◇現代では、種子取祭を集落全体の行事として行う地域は少なくなりました。
ただ、家庭でヒヌカンや仏壇へお供えをして拝む家も見られます。
特別な道具は必要なく、旧暦10月の吉日、または立冬の節(11月7日〜21日)の間に行うのが一般的です。
テームイ(大きなおにぎり)とお供え物

◇家庭での種子取祭では、まず「テームイ(イバティー)」と呼ばれる大きなおにぎりを一つ作ります。
豊作の象徴とされる、この行事ならではのお供え物です。
①テームイ(大きなおにぎり)…豊作のシンボル
②小さなおにぎり…奇数個(7個など)
※ユウナ(オオハマボウ)の葉に乗せる
③ススキの茎…2本
※お箸代わりに添える
ススキは丈夫でよく生い茂ることから、
「来年も稲穂(現代では収入)がこのように生い茂りますように」
…という願いを込めて、お箸代わりに添える風習が今も残っています。
ユウナの葉が手に入らない場合は、公園のマングローブ周辺などで見つけられることもあります。
沖縄ウグァン(御願)で複数個を供える場合、奇数個を供えるとされます。
例えば、沖縄の旧盆で供える重箱料理では、おかずは奇数品目、餅は奇数個を詰めますよね。これは沖縄では偶数を割り切れる(切れる)偶数は、縁起の悪い「陰数」であるのに対し、割り切れない(切れない)奇数は「陽数」、縁起の良い数字とされてきたためです。特に「7」は、重要な数字とされてきました。
種子取祭で供える際にも小さいおにぎりならば7個を供え、香りが強くチガリムン(魑魅魍魎)を祓い清めるユウナの葉などの上に置いてきました。
ヒヌカンと仏壇への拝み
◇線香は「ジュウゴフンウコー(十五本御香)」が目安です。
お供え物が整ったら、まずヒヌカン(火の神様)へ、続いて仏壇へ手を合わせます。
①ヒヌカン
…朝一番に、家の女性が拝んでもよい
②仏壇
…家長を中心に、家族そろって拝む
「今年一年の感謝と、来年も豊かでありますように」
…という気持ちを込めて手を合わせれば、決まった祝詞(グイス)まで気にする必要はありません。
お供えしたテームイは、拝んだ後に家族でいただく「ウサンデー」も、この行事の大切な一部です。
カママーイ(竈巡り)|旧暦10月1日は11月9日(月)

旧暦10月1日に行われる「カママーイ(竈巡り)」は、火災予防と家内安全を願う行事です。2026年は11月9日(月)にあたります。
・2026年11月9日(月)
・旧暦10月1日
火の用心を願う竈まわりの行事
◇かつての沖縄では、カママーイを目安に竈(かまど)の点検が行われてきました。
季節の変わり目で湿度が変化しやすく、火災の危険性が高まる時期と言うのもあるでしょう。
婦人会や自治会が中心となり、集落の家々を一軒ずつ巡って火の元をチェックし、「火の用心」を呼びかける地域行事でした。
①集落行事
…婦人会や自治会が家々の台所を点検
②家庭行事
…火災予防の御願「ヒーマチヌウグァン」を、集落の御嶽(ウタキ)や殿(ウドゥン)で行う
昔の集落では、点検の前に婦人会や自治会の人々で御嶽を参拝し、火災予防を祈願していました。
その名残りから、今も家族で御嶽や殿を訪れ、ヒーマチヌウグァンを行う家が見受けられます。特に沖縄本島南部エリアに多い傾向です。
かつての姿と現在の形
◇かつて点検が済むと朱字で「火の用心」と書かれた札(点検印)が配られました。
その札を、家の入口や台所の柱に貼って火災除けのお守りとする風習もあります。
単なる防火点検ではなく、地域全体で家庭を見守る「暮らしの祈り」でもあったのです。
それでも、地域によっては婦人会・自治会による夜回りや「火の用心」の呼びかけとして、その精神は受け継がれています。
家庭では、この日を目安に台所の掃除やコンロの点検を行い、ヒヌカンに「一年間、無事に過ごせました」と感謝を伝える家も多いです。
酉の市・七五三・勤労感謝の日|全国行事も重なる月

◇沖縄の旧暦10月は独自の行事が少ないぶん、この時期は全国共通の行事も目立ちます。
全国的な暮らしのリズムと、沖縄ならではの子育て文化が重なる、11月らしい一面が見えてくる時期でもあります。
一の酉(11/7)・二の酉(11/19)
◇11月の「酉の日」に行われる「酉の市」。
江戸時代から続く、商売繁盛と開運を願う祭りです。
2026年は、一の酉が11月7日(土)、二の酉が11月19日(木)にあたります。
(年によっては三の酉まで巡ってくることもあります)
ただ、酉の市自体は関東圏を発祥とする風習のため、沖縄には同様の行事を行う神社がなく、県内で参加できる機会はほとんどありません。
・浅草・鷲神社(おおとりじんじゃ)
(発祥の地とされる)
・新宿・花園神社
(大規模な熊手市で知られる)
…などに立ち寄ってみるのもよいでしょう。
境内には、財運や幸運をかき集めるとされる「熊手」を売る屋台が立ち並び、商売をしている人々を中心に多くの参拝客で賑わいます。
七五三(11/15)
◇2026年の七五三は11月15日(日)です。
もともとは本州で広まった、子どもの成長を祝う行事で、男の子は3歳・5歳、女の子は3歳・7歳の節目にお参りをします。
2026年に七五三を迎えるのは、以下の年に生まれたお子さんです(数え年・満年齢どちらの考え方もあります)。
①3歳(男女)
・満年齢…2023年生まれ
・数え年…2024年生まれ
②5歳(男の子)
・満年齢…2021年生まれ
・数え年…2022年生まれ
③7歳(女の子)
・満年齢…2019年生まれ
・数え年…2020年生まれ
近年は満年齢で祝う家庭が多く見られますが、地域や家庭の考え方によっては数え年で行う場合もあるため、迷った場合はご家族で話し合って決めるとよいでしょう。
・着物の着付けが始まる「髪置き(3歳)」
・初めて袴を着ける「袴着(5歳)」
・帯を結び始める「帯解き(7歳)」
…という、かつての通過儀礼の名残が込められています。
参拝時に渡される「千歳飴」も、細長い形に「長寿」の願いを込めた縁起物です。
ちなみに沖縄には、干支が一巡する節目ごとに祝う「トゥシビー」という文化が根付いており、子どもの成長祝いとしては「十三祝い」が古くから大切にされてきました。
沖縄は干支の巡り「トゥシビー(年目)」を大切にする文化なので、沖縄で子どもの成長祝いは「十三祝い」とされてきましたよね。
七五三は本州の風習ではありますが、現代は、十三祝いも七五三祝いも、記念写真を撮って盛大に祝うイメージがあります。私達家族も、2人の子どもを、七五三・十三祝いで祝ってきました。
朝から馴染みのある写真館で衣装を借り、家族で記念写真を撮影した後、その衣装のまま参拝へ行く流れです。参拝した足で写真館へ戻り、衣装を返却します。
夕方以降はホテルレストランを予約し、家族・祖父母、時には親族も集まってお祝いディナーを楽しむ流れが恒例です。最近では「七五三お祝いディナー」などのホテルプランも提供されていて、予約もしやすくなりました。
勤労感謝の日(11/23)
◇11月23日(月)は勤労感謝の日です。
もとは「新嘗祭」という、収穫への感謝を捧げる宮中行事に由来する国民の祝日で、旧暦10月・11月にあたるこの時期ならではの祝日ともいえます。
七五三の週末とも近く、家族や親族が顔をそろえやすいタイミングとして活用する家庭も見られます。
喪中はがきの準備もこの時期から
◇11月は、喪中はがき(年賀欠礼状)の準備を進める時期でもあります。
郵便局での喪中はがきの販売は10月から始まり、年賀状の受付は例年12月15日からのスタートです。
故人がいらっしゃるご家庭は、送る相手の範囲や文面、投函の時期など、早めに確認しておくと慌てずに済みます。
・喪中はがきの書き方・文例・出す時期|欠礼はがきの基本マナーと印刷・デザインの選び方【2026年版】
霜降・立冬・小雪と、この時期の旬の食材

2026年11月、沖縄の旧暦9・10月にあたるこの時期の二十四節気は、霜降(10/23〜11/6)→立冬(11/7〜21)→小雪(11/22〜12/6)と移り変わります。
・霜降(そうこう)
…2026年10月23日(金)〜11月6日(金)
・立冬(りっとう)
…2026年11月7日(土)〜21日(土)
・小雪(しょうせつ)
…2026年11月22日(日)〜12月6日(日)
全国的には霜が降り始める頃とされますが、沖縄では朝晩の風に少し冬の気配を感じる程度で、まだ柔らかな日差しが残る季節です。
11月の和名は「霜月(しもつき)」。本州では、その年初めて吹く北寄りの強い風「木枯らし一号」が観測される頃でもあります。
・田芋(ターンム)
・サトウキビ
・落花生
・かぼちゃ
・島ニンジン
・紅芋
・柿
・ヒラメ、サンマ
田芋やサトウキビなど、旧暦行事のお供え物にも登場する食材が旬を迎える時期でもあります。冬支度が始まるこの季節、旬の食材を使った家庭料理も増えてくるのではないでしょうか。
・初冬の候
・立冬の候
・向寒の折
・日増しに寒さが加わってまいりました
本州向けの挨拶に、
「風に少し冬を感じる頃となりました」
「穏やかな陽射しに、心地よい涼しさを覚える季節です」
のような一言を添えると、沖縄らしい季節感のある挨拶になります。
まとめ|「飽き飽きしちゃう」旧暦10月に、豊穣と火への感謝を

◇2026年11月は、沖縄の旧暦9月22日から10月22日にあたります。
「アキハッティージューグァッチ(飽き飽きし果てちゃう十月)」と呼ばれるほど独自の行事は少ないものの、竹富島の種子取祭(タニドゥル)やカママーイ(竈巡り)など、火や実りへの感謝を込めた行事が続きます。
・カママーイ・チイタチの拝み…11月9日(月)
・竹富島の種子取祭(奉納芸能)…11月12日(木)〜13日(金)
・一の酉…11月7日(土)
・七五三…11月15日(日)
・二の酉…11月19日(木)
・ジュウグニチの拝み…11月23日(月)
同時に、酉の市・七五三・勤労感謝の日といった全国的な行事も重なり、年末に向けた喪中はがきの準備を始める家庭も出てくる時期です。
※それぞれの行事の詳しい拝み方・お供え物は、本文中のリンク先コラムをご参照ください。
旧暦は毎年日付が変わるため、来年以降の予定を立てる際は、あらためて旧暦カレンダーをご確認ください。

公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会 終活支援部長
●経歴
19XX年、沖縄県名護市出身。
米国・南ユタ大学コミュニケーション学部卒業。
県内大手建設会社勤務を経て、2007年に公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会に入社。長年、お墓の企画提案や販売業務の第一線に従事し、中城メモリアルパーク所長を歴任。現在は終活支援部長として、沖縄の供養文化と現代のニーズを繋ぐ活動に注力している。
●資格・活動
・終活カウンセラー1級(沖縄県初取得者)
・一般社団法人 全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部 幹事
●実績
県内各自治体、社会福祉協議会、医療法人、老人ホーム等での出張セミナーや講演を累計500回以上実施。沖縄タイムス等のメディア寄稿を通じ、相続や空き家問題、墓じまいに関する啓発活動を行っている。
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