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浜下り(はまうい)のお供え物と拝み方|海に行く前にヒヌカン・お仏壇へ

浜下り(はまうい)のお供え物と拝み方|海に行く前にヒヌカン・お仏壇へ
沖縄の浜下り(はまうい)は、旧暦3月3日に家族で浜へ下りて潮干狩りを楽しむ行楽行事として、すっかり定着していますよね。
 

 ●でも浜へ出かける前に、ヒヌカン(火の神)とお仏壇へお供え物をして拝みを捧げる風習があるのをご存知ですか?
 …昔ながらの沖縄の浜下りでは、朝のうちにフーチムチ(よもぎ餅)をお供えして家族の健康を祈願してから、海岸へ向かいました。

 
現代でもこの拝みを欠かさない家庭は多く、浜下りならではの大切な習わしのひとつです。
 
今回は、浜下りの前に行うヒヌカンとお仏壇への御願の仕方と、お供え物の定番「フーチムチ(よもぎ餅)」の作り方をあわせてご紹介します。
 
2026年の浜下りは旧暦3月3日、新暦4月19日(日曜日)です。ぜひ今年の浜下りに取り入れてみてください。
 

※本記事は、公益財団法人「沖縄県メモリアル整備協会」が作成しています。地域の習わしを大切に、それぞれの家らしい心のこもったご供養の一助にしてください。(2026年4月08日更新)

 



 
 

浜下り(はまうい)のお供え物は「フーチムチ」


ヒヌカンとお仏壇へのお供えの仕方
◇浜下りのお供え物の定番といえば「フーチムチ(よもぎ餅)」です。
…地域によって「フェチムチ」「フチムチ」などさまざまな呼び名がありますが、どれももち粉によもぎを混ぜて蒸した「よもぎ餅」のことです。
 
今ではスーパーでも手軽に購入できますが、せっかくなら手作りに挑戦してみるのも楽しいですよね。
 
沖縄の御願行事では「奇数」が大切とされています。フーチムチをお供えする際も、三個・五個など奇数個にするのが昔ながらの習わしです。
 
 

フーチムチ(よもぎ餅)の作り方

◇本州のよもぎ餅とは少し違い、沖縄のフーチムチはもち粉から作ります。
…中にアンコを入れて、外側にきな粉をまぶしたものが人気です。材料はスーパーで手軽に揃えられるものばかりですよ。
 

●フーチムチ(よもぎ餅)の作り方
 
☆ 材料 ☆
 
もち粉 400g
水 180ml
お砂糖 200g
フーチ(よもぎ) 200g
 
《お好みで》
アンコ
きな粉
 
☆ 作り方 ☆
 
① よもぎは茎を取って葉のみを残し、ミキサーにかけておきます。
 
② もち粉に水、お砂糖を混ぜてこね、お餅の形に丸く整えます。
  お好みでアンコを入れてください。
 
③ 30分〜40分ほど蒸したら出来上がりです。
  お好みできな粉をまぶしてどうぞ。

 
手作りが難しい場合は、スーパーで購入したフーチムチを一個ずつ(奇数個)お供えするだけでも十分です。大切なのは家族の健康を祈る気持ちですよね。
 
 

ヒヌカンとお仏壇へのお供えの仕方


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◇浜下りの朝は、ヒヌカン(火の神)とお仏壇にフーチムチ(よもぎ餅)をお供えしてから出かけます。
…ヒヌカンとお仏壇へのお供え物は少し違いがありますので、それぞれご紹介します。
 
 

ヒヌカンへのお供え物

ヒヌカンへは、日ごろのお供え物に加えてフーチムチ(よもぎ餅)をお供えします。お皿に奇数個のフーチムチを乗せて、いつものお供え物と一緒に並べてください。
 

【ヒヌカンへのお供え物】
 
●フーチムチ(よもぎ餅)…奇数個(3~5個)
・塩
・水
・供え葉
・お酒

 
日ごろからヒヌカンを大切にしているお家では、塩・水・供え葉・お酒が基本のお供え物です。浜下りの日はそこにフーチムチを加える形になります。
 
 

お仏壇へのお供え物

◇お仏壇へは日ごろのお供え物に加えて、お箸を添えた膳にフーチムチをお供えします。
…ヒヌカンとの違いはお箸を添えるかどうかで、これは他のウグァン(御願)行事と同じです。
 

【お仏壇へのお供え物】
 
●フーチムチ(よもぎ餅)…奇数個(3~5個)+お箸
・お酒
・左右一対のお茶
・左右一対の供え花
・お水

 
御先祖様が多いお家(ムートゥーヤー=宗家など)では、お供えの膳を二膳にして、お箸も二膳添えてください。
 


【豆知識】ヒヌカンとお仏壇の違いは「お箸」
 
沖縄の御願行事では、ヒヌカンへのお供えにはお箸を添えませんが、お仏壇へのお供えにはお箸を添えます。
 
これは御先祖様への食事を意味するためで、他の御願行事でも同様の習わしです。

 
 

浜下り前のウグァン(御願)言葉


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◇お供え物が整ったら、ヒヌカンとお仏壇に御願の言葉を捧げます。
…難しく考える必要はなく、子ども達が元気でいることへの感謝と、これからも健やかに過ごせるようにという祈りをお伝えすれば大丈夫です。
 

●桃の節句ですので、取り分け娘達の健康を報告するのが昔ながらのスタイルです。

 
家庭の御願であれば、現代語でお伝えしても問題ありません。感謝と祈願の気持ちを込めて、自分の言葉でお伝えしてみてください。
 
 

ヒヌカンへのウグァン(御願)言葉

ヒヌカンへは、今日が浜下りの日であることを報告しながら、家族の健康への感謝と祈願をお伝えします。
 

【ヒヌカンへのウグァン(御願)言葉】
 
「ウートゥートゥー、ヒヌカンガナシー、
(あな尊き、ヒヌカンの神様)
 
今日は浜下り(はまうい)の日でございます。
 
お蔭様で娘達皆、健康に穏やかに今日の日を迎えました。
ありがとうございます。
 
どうぞこれからも、
家族皆、健康に過ごすことができますように、
 
ウートゥートゥ。
(あな、尊い)。」

 
地域によっては「これから浜下りに家族で行きますので、無事に穢れを落とすことができますように、お見守り下さい。」の一文を添える家庭も多いようです。
 
 

お仏壇へのウグァン(御願)言葉

お仏壇へは御先祖様への感謝とともに、家族が揃って浜下りを迎えられたことへの報告をお伝えします。
 

【お仏壇へのウグァン(御願)言葉】
 
「ウートゥートゥー ウヤフジガナシー、
(あな尊き、ご先祖様)
 
お蔭様で今年も無事に浜下り(はまうい)の日を迎え、
家族揃って御願をしております。
 
娘達も元気に穏やかに過ごしております、
ありがとうございます。
 
どうぞこれからも、
家族皆、無事に健やかに暮らすことができますよう、
 
ミーマンティー ウタビミスーリー
(見守っていてください)
 
ウートゥートゥー。
(あな、尊い)。」

 
御先祖様が多いお家では、感謝の言葉もより丁寧に伝えるとよいですよね。
 
現代語を交えながら、家族の近況や娘達の成長をお伝えするのも素敵です。
 
 

浜下り前の家庭内御願の順番


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◇浜下り前の家庭内での御願は、ヒヌカン(火の神)→お仏壇の順番で行います。
…これは浜下りに限らず、沖縄の御願行事全般に共通する順番です。
 
まずヒヌカンに今日の行事を報告し、次にお仏壇の御先祖様へ感謝と祈願をお伝えする流れです。
 

●ウグァン(御願)が終わったら、お供えしたフーチムチ(よもぎ餅)はそのまま浜へ持っていくのが昔ながらのスタイルです。
…浜下りの儀礼を終えた後、家族みんなで美味しくいただいてください。

 
現代では行楽弁当が主流になり、フーチムチや三月菓子を用意する家庭は少なくなりました。
 
それでも購入したフーチムチを奇数個だけでもお供えして、娘達や家族の健康を祈願してから浜下りに出かけると、より清々しい気持ちで一日を過ごせるのではないでしょうか。
 
浜下りの儀礼の手順や潮情報については、こちらもあわせてご覧ください。
 

 
 

まとめ|海に行く前に家族の健康を祈願しよう


沖縄の浜下り(はまうい)とは?
今回は浜下り(はまうい)の前に行う、ヒヌカンとお仏壇への御願の仕方とお供え物についてご紹介しました。難しく考える必要はなく、家族の健康への感謝と祈りの気持ちを込めてお伝えするだけで大丈夫です。
 

●2026年の浜下りは旧暦3月3日、新暦4月19日(日曜日)です。
…せっかくなら今年の浜下りに、昔ながらの御願をひとつ取り入れてみてはいかがでしょうか。

 
フーチムチをスーパーで購入して奇数個お供えするだけでも、浜下りがより特別な一日になるはずです。
 
浜下りの由来や潮情報、昔ながらのお弁当については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
 

 

【この記事のまとめ】
 
・浜下り前の御願はヒヌカン→お仏壇の順番で行う
・お供え物の定番はフーチムチ(よもぎ餅)
・フーチムチは奇数個お供えするのが昔ながらの習わし
・ヒヌカンへはお箸なし、お仏壇へはお箸を添える
・ウグァン(御願)の言葉は現代語でも問題なし
・お供えしたフーチムチはそのまま浜へ持っていく
・2026年の浜下りは4月19日(日曜日)

 


【監修者:東恩納 寛寿(ひがしおんな ひろひさ)】
 
東恩納写真
公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会 終活支援部長
 
●経歴
 
19XX年、沖縄県名護市出身。
米国・南ユタ大学コミュニケーション学部卒業。
 
県内大手建設会社勤務を経て、2007年に公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会に入社。長年、お墓の企画提案や販売業務の第一線に従事し、中城メモリアルパーク所長を歴任。現在は終活支援部長として、沖縄の供養文化と現代のニーズを繋ぐ活動に注力している。
 
●資格・活動
 
・終活カウンセラー1級(沖縄県初取得者)
一般社団法人 全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部 幹事
 
●実績
 
県内各自治体、社会福祉協議会、医療法人、老人ホーム等での出張セミナーや講演を累計500回以上実施。沖縄タイムス等のメディア寄稿を通じ、相続や空き家問題、墓じまいに関する啓発活動を行っている。

 
 



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