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【沖縄の御願】マドゥトゥシビーとは?旧正月明けに行う家族の厄祓いの拝み方

【沖縄の御願】マドゥトゥシビーとは?旧正月明けに行う家族の厄祓いの拝み方
沖縄では旧正月が明けると、一年の無病息災を願う「御願(ウグァン)」が続いていきます。
そのひとつが、家族それぞれの干支日に合わせて行う厄祓いの御願「マドゥトゥシビー」です。
 
マドゥトゥシビーは、いわゆる厄年(ウフトゥシビー)とは異なり、旧正月明けに巡る干支日に、家族が代わって拝む通年の御願行事とされています。大がかりな祝いではなく、日常の延長として行われてきた点も特徴です。
 
本記事では、マドゥトゥシビーの意味や拝みの考え方を整理しながら、2026年度の旧正月明け(旧暦1月2日〜13日)に巡る干支日とあわせて、ヒヌカンや仏壇への拝み方、お供え物について分かりやすくご紹介します。

 



 
 

マドゥトゥシビーとは何か


マドゥトゥシビーとは何か
◇マドゥトゥシビーとは、沖縄で旧正月が明けたあとに行われる、家族の一年の無病息災を願う御願行事です。
…干支に基づいて日が巡り、旧暦1月2日から12日間のあいだに、それぞれの生まれ干支の日が訪れた家族について拝みを行います。
 
トゥシビーという言葉から、厄年や長寿祝いを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、マドゥトゥシビーはそれらとは性質が異なります。華やかな祝いではなく、日常の延長として、家族の平穏な暮らしを祈る朝の御願です。
 
 

トゥシビーの中にある「通年の厄祓い御願」

◇沖縄では、干支が巡る年や日を節目として、厄を祓い、無事を願う御願文化が根づいています。
…その中でマドゥトゥシビーは、特定の年齢や厄年に限らず、旧正月明けに家族全員に巡ってくる「通年の厄祓い御願」と位置づけられています。
 

 ●旧暦1月2日から干支が一日ずつ巡るため、十二支すべての人に必ず当たる日があり、その日に一年の無病息災を願って拝みを行います。
 
 …ただし、十二日間すべて拝むわけではなく、家族それぞれの干支日に合わせて行うのが基本です。

 
このようにマドゥトゥシビーは、特別な年の行事というよりも、新しい一年を安心して過ごすための区切りとして行われてきました。
 

[沖縄のトゥシビーとはなにか?基礎知識]
【沖縄の御願】生まれ年の厄払い「トゥシビー」の基礎知識

 
 

ウフトゥシビー(厄年)との違い

◇マドゥトゥシビーと混同されやすいものに、「ウフトゥシビー」があります。
ウフトゥシビーは、十二年に一度、自分と同じ干支の年が巡ってきた際に行う御願で、数え年十三歳や、六十一歳以上では長寿祝いを伴うこともあります。
 

 ●一方、マドゥトゥシビーは厄年そのものを指す行事ではなく、厄年に当たらない年も含めて、毎年行われる御願です。

 
祝宴や大がかりな準備を前提とせず、家族が代わって拝む点にも特徴があります。
 
この違いを押さえておくことで、旧正月明けに行われる沖縄の御願を、無理なく、正しく理解することができます。
 

[ウフトゥシビーの基礎知識と拝み方]
ウフトゥシビーは厄年のお祓い☆災難を避ける旧正月の御願

 
 

マドゥトゥシビーを行う日|干支日で決まる理由


マドゥトゥシビーを行う日|干支日で決まる理由
◇マドゥトゥシビーを行う日は、カレンダーの日付そのものではなく、「干支日(えとび)」によって決まります。
…沖縄では旧暦とあわせて、その日がどの干支に当たるかを大切にしてきました。マドゥトゥシビーも、この干支日の巡りを基準に行われる御願です。
 

 ●旧正月が明けると、旧暦1月2日から一日ごとに干支が移り変わり、十二日間で十二支すべてが一巡します。

 
この期間に、それぞれの生まれ干支の日が初めて訪れることから、家族の一年の厄祓いを行うと考えられてきました。
 
 

旧暦1月2日から12日間続く「干支日」の考え方

◇干支は年だけでなく、日にも割り当てられています。
…そのため、旧暦1月2日から13日までの十二日間には、必ず十二支すべての干支日が一度ずつ巡ってきます。
 
マドゥトゥシビーでは、この「旧正月明けに最初に巡る干支日」を節目として、厄祓いの御願を行います。
 
特定の吉日や休日に合わせるのではなく、干支の巡りそのものを大切にする点が、沖縄の御願らしい特徴といえるでしょう。
 

 
 

自分の干支日が最初に来る日が御願日

◇マドゥトゥシビーは、旧暦1月2日から13日までの十二日間すべて拝む行事ではありません。
…大切なのは、その期間の中で、自分(または家族)の生まれ干支が最初に巡ってくる日です。
 

 ●たとえば、家族が三人であれば三日分、五人家族であれば五日分の御願を行うことになります。

 
干支日に当たる本人について、その名前を伝え、一年の無病息災を願う──それがマドゥトゥシビーの基本的な形です。
 
このように、日程は「家族の人数分だけ関わる」という点を押さえておくことで、過度に構えず、現代の暮らしの中でも無理なく行うことができます。
 
 

【2026年】旧正月明けのマドゥトゥシビー干支日一覧

◇2026年度のマドゥトゥシビーは、旧正月翌日の旧暦1月2日から始まります。
…旧暦1月2日から13日までの十二日間で、十二支すべての干支日が一巡し、その中で家族それぞれの生まれ干支の日に合わせて御願を行います。
 
以下は、2026年の旧暦と新暦を対応させた、マドゥトゥシビーの干支日一覧です。
ご自身やご家族の干支日が、いつに当たるのかを確認する際の目安としてご覧ください。
 

 【2026年マドゥトゥシビー干支日一覧】
 
 ・旧暦1月2日・新暦2月18日(水)…亥
 ・旧暦1月3日・新暦2月19日(木)…子
 ・旧暦1月4日・新暦2月20日(金)…丑
 ・旧暦1月5日・新暦2月21日(土)…寅
 ・旧暦1月6日・新暦2月22日(日)…卯
 ・旧暦1月7日・新暦2月23日(月)…辰
 ・旧暦1月8日・新暦2月24日(火)…巳
 ・旧暦1月9日・新暦2月25日(水)…午(ウフトゥシビー)
 ・旧暦1月10日・新暦2月26日(木)…未
 ・旧暦1月11日・新暦2月27日(金)…申
 ・旧暦1月12日・新暦2月28日(土)…酉
 ・旧暦1月13日・新暦3月1日(日)…戌

 
なお、マドゥトゥシビーは、この十二日間すべて拝む行事ではありません。
この期間の中で、自分や家族の生まれ干支が最初に巡ってくる日が、それぞれの御願日となります。
 
家族の人数分だけ日が関わるため、必要以上に構えず、日常の延長として行えるのもマドゥトゥシビーの特徴です。
 
次の項目では、こうした御願を「誰が」「どのような考え方で」行うのかについて見ていきましょう。
 

 
 

マドゥトゥシビーの拝みは誰が行う?


マドゥトゥシビーの拝みは誰が行う?
マドゥトゥシビーの拝み方には、「誰が手を合わせるのか」という点で、少し特徴的な考え方があります。
 

 ●それは、干支日に当たる本人ではなく、家族が代わって拝むという点です。

 
この考え方は、厄祓いの御願としての意味合いと深く結びついており、現在でも多くの家庭で受け継がれています。
 
 

干支日に当たる本人は拝まないという考え方

◇マドゥトゥシビーでは、「自分の厄は自分で拝まない」と考える地域や家庭が多くあります。
…干支日に当たる本人について、家族が名前を伝え、一年の無病息災を願うことで、厄を遠ざけるという考え方です。
 
必ずしも厳密な決まりがあるわけではありませんが、本人が直接手を合わせるよりも、周囲の家族が見守る形で拝むことに意味があるとされてきました。
 
そのため、子どもであれば親や祖父母が、配偶者であれば伴侶が拝みを行う、という形が一般的です。
 
 

家族が代わりに拝む理由と地域差

◇家族が代わって拝むという考え方の背景には、「御願は個人のためでありながら、家全体で支えるもの」という沖縄独特の価値観があります。
…一人の厄は、その人だけの問題ではなく、家族全体に関わるものと捉えられてきたのです。
 

 ●かつては台所や火の神(ヒヌカン)を守る役割を担っていた人が拝みを行う家庭も多く見られましたが、現在では必ずしも性別や立場に限定されるものではありません。

 
家族の事情や暮らしに合わせて、無理のない形で誰かが担うという考え方が広がっています。
 
地域や家庭によって細かな違いはありますが、「本人以外の家族が、その人の無事を願って拝む」という基本の考え方を押さえておけば、現代の暮らしの中でも自然に取り入れることができるでしょう。
 
 

マドゥトゥシビーのお供え物(ウサギムン)


七草粥(ナージューシー)の供え方
マドゥトゥシビーでは、特別な御馳走や大がかりな準備は必要ありません。
日常の延長として整えられるお供え物(ウサギムン)を通して、家族の無病息災を願うのが基本の考え方です。
 
ここでは、ヒヌカン(火の神)と仏壇(御先祖様)それぞれへのお供え物と、拝みの整え方について整理します。
イラストとあわせて確認すると、配置や量の目安がつかみやすくなります。
 
 

ヒヌカンへのお供えと拝みの基本

ヒヌカンへのお供えと拝みの基本
◇ヒヌカンへのマドゥトゥシビーのお供えは、日頃の御願を基本としながら、赤ウブクを添えます。
…特別な料理を用意する必要はなく、日常のなかで一年の無事を願う拝みです。
一般的なヒヌカンへのウサギムンは、次のように整えます。
 

 【ヒヌカンへのお供え物】
 
 ● 神葉(チャーギなど)
 ● ミジティ(水)
 ● マース(塩)
 ● ウミキ(お酒)
 ● 赤ウブク(赤飯など)…3膳

 
これらを、ヒヌカンの前に無理のない形で配置します。
赤ウブクは、小ぶりのお椀に盛り、三膳を並べるのが目安です。
 

 【お線香】
 ●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
 
 ・沖縄線香ヒラウコー…タヒラ半(2枚半)
 ・日本線香…15本
 ・簡易版(小さな香炉など)…日本線香5本

 
拝みの際は、干支日に当たる家族の名前を伝え、一年の無病息災を静かに祈願します。
 
 

仏壇へのお供えと日常的な整え方

仏壇へのお供えと日常的な整え方
◇仏壇へのお供えも、基本は日常の延長です。
…ヒヌカンと同様に、赤ウブクを中心としながらご馳走を供え、御先祖様へ家族の無事を報告する気持ちで整えます。
仏壇へのウサギムンの一例は、次のとおりです。
 

 【仏壇へのお供え物】
 
 ● 供え花…2立
 ● ウチャトゥ(お茶)…2杯
 ● お酒…1杯
 ● 赤ウブク…2膳
 ● ウチャワキ(夕食のおかずなどを少量取り分けたもの)
 ● 箸

 
ウチャワキは、御馳走である必要はありません。
その日の食事から少し取り分ける程度で十分とされており、「特別な日だから豪華にする」という考え方は、マドゥトゥシビーには馴染まないとされています。
 
お盆におかずを盛り付けた皿を置き、お箸を添えて供えましょう。
 

 【お線香】
 ●ジュウニフンウコー(十二本御香)
 
 ・沖縄線香ヒラウコー…タヒラ(2枚)
 ・日本線香…12本
 ・簡易版(小さな香炉など)…日本線香4本

 
拝みでは、ヒヌカンと同様に、対象となる家族の名前を伝え、今年一年の無事を願います。
 
このように、マドゥトゥシビーのお供えは、準備そのものよりも、続けやすさと気持ちの向け方が大切にされてきました。
 
 

マドゥトゥシビーの拝み言葉と伝え方


まとめ|沖縄の旧正月は無理なく整えることが大切
◇マドゥトゥシビーの拝みでは、決まった長い祝詞や難しい言い回しを唱える必要はありません。
…大切なのは、誰のために、何を願っているのかを、分かる形で伝えることです。
 
沖縄の御願は、言葉の正確さよりも、気持ちの向け方や意図を重んじる文化として受け継がれてきました。
マドゥトゥシビーも同様に、家族の無病息災を願うことが中心となります。
 
 

ヒヌカンへの拝み言葉の考え方

ヒヌカンへの拝みでは、「ウートゥートゥー、ヒヌカンガナシー」と唱えてから、拝みを始める家庭が多く見られます。
マドゥトゥシビーでは、家族の干支を伝えて拝みましょう。
 

「今年一年、〇〇年(干支)の〇〇(家族)が無事に過ごせますように」
「病気や災いがありませんように」

 
…といったように、現代の言葉で構いません。
大切なのは、お願いごとを増やしすぎず、厄祓いとしての主旨を意識することです。
 
感謝と見守りの願いを、簡潔に伝える形が、マドゥトゥシビーにはふさわしいとされています。
 
 

仏壇でも名前を告げ、一年の無病息災を願う

◇マドゥトゥシビーの拝みで欠かせないのが、干支日に当たる家族の名前を告げることです。
…誰のための御願なのかを明確にすることで、拝みの意味がはっきりします。
 

 ●御願対象の家族の干支・名前を伝えたうえで、
 
 「この一年、無病息災で過ごせますように」
 「大きな災いがなく、穏やかに過ごせますように」

 
…といった形で願いを添えます。
ここでも重要なのは、特別な言葉や言い回しではありません。
家族がその人を思い、無事を願っているという気持ちが伝わることが、御願の本質とされています。
 
 

まとめ|マドゥトゥシビーは家族を想う一年の区切り


まとめ|家族でつなぐお彼岸の心
◇マドゥトゥシビーは、沖縄で旧正月が明けたあとに行われる、家族の一年の無病息災を願う御願行事です。
…厄年に当たる年だけの特別な行事ではなく、干支日が巡ることで、毎年すべての人に関わってくる点に特徴があります。
 

 ●旧暦1月2日から干支が一日ずつ巡り、その中で自分や家族の生まれ干支が最初に訪れる日を節目として拝みを行います。
 
 …その際、干支日に当たる本人ではなく、家族が代わって名前を告げ、無事を願うという考え方が大切にされてきました。

 
お供え物も、赤ウブクを中心とした日常の延長で整えられ、特別な御馳走や大がかりな準備は求められていません。
形式よりも、誰のために、どのような思いを向けるのかを重んじる御願です。
 
 



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