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ヒヌカンを迎える「下天の拝み」|旧暦1月4日の迎え方・うさぎむん・線香の本数【2026年度版】

ヒヌカンを迎える「下天の拝み」|旧暦1月4日の迎え方・うさぎむん・線香の本数【2026年度版】
◇沖縄では旧暦1月4日に、年末に天へ帰っていたヒヌカン(火の神)を迎える御願(ウグァン)として、「下天の拝み」を行います。
…この拝みは、特別な祈願を強く願う行事ではなく、新しい一年を穏やかに始めるための大切な節目とされてきました。
 
2026年度の旧暦1月4日は、新暦では2月20日(金)にあたります。
 
本記事では、下天の拝みを行う際の基本的な流れや、うさぎむん(お供え物)の内容、線香の本数や供え方について、初めての方にも分かりやすく整理します。
 
地域や家ごとの違いに配慮しながら、「無理なく行う」ための実践的なポイントを紹介します。

 



 
 

下天の拝みとは|旧暦1月4日に行うヒヌカンのお迎え


下天の拝みとは|旧暦1月4日に行うヒヌカンのお迎え
◇下天の拝みは、年末に天へ帰っていたヒヌカン(火の神)を、旧暦1月4日に家へ迎え入れるための御願(ウグァン)です。
…特別な祈願を強く願う行事ではなく、新しい一年を穏やかに始めるための節目として、沖縄の家庭で受け継がれてきました。
 
旧正月の御願がひと段落したあと、日常へ戻る流れのなかで行われるのが下天の拝みです。
ヒヌカンを迎え、これからの一年も家の暮らしを見守ってもらうための御願として、大切にされてきました。
 

 
 

2026年の旧暦1月4日はいつ?

◇2026年度の旧暦1月4日は、新暦では2月20日(金)にあたります。
…下天の拝みは、毎年この旧暦1月4日を目安に行われる御願です。
 
新暦の日付は年によって変わるため、下天の拝みを行う際は、旧暦を基準に日程を確認することが大切です。
 
六曜(大安・仏滅など)とは異なる考え方で受け継がれてきたため、日取りよりも「ヒヌカンを迎える節目」であることが重視されてきました。
 
 

下天の拝みを行う時間帯の目安

◇下天の拝みを行う時間帯に、厳密な決まりはありません。
…ただし、昔からは午前中のうちに行う家が多いとされています。
 
これは、ヒヌカンを迎える拝みが「一日の始まり」に位置づけられてきたためです。
朝のうちに拝みを済ませることで、その日一日を落ち着いた気持ちで過ごせると考えられてきました。
 
とはいえ、仕事や家庭の事情によって午前中が難しい場合もあるでしょう。
その場合は、無理をせず、家族の都合に合わせた時間帯で行っても問題はありません。
大切なのは時間そのものよりも、ヒヌカンを迎える気持ちを整えて拝むことです。
 

 
 

下天の拝みの前に行う準備


まとめ|ヒヌカンの掃除は「落とさない」ための作法
◇下天の拝みは、年末の大掃除のように大がかりな準備を行う御願ではありません。
…旧暦12月24日の上天の拝みで一度区切りがついているため、下天の拝みでは「迎えるための最低限の整え」を意識することが大切とされています。
 
形式を完璧に整えることよりも、ヒヌカンを迎える気持ちを落ち着けることが、準備の基本になります。
 
 

ヒヌカン周りの掃除と清め方

◇下天の拝みの前には、ヒヌカン周りを軽く整えておくとよいでしょう。
…香炉の周囲や供え台、ヒヌカンの前に立つ場所などを中心に、ほこりを払い、清潔な状態にします。
 

 ●清め方としては、潮水を用いる家もありますが、海水が用意できない場合は、塩を溶かした水で軽く拭き清める程度でも問題ありません。

 
重要なのは「清めようとする気持ち」であり、方法そのものに厳密な決まりがあるわけではありません。
 
屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)を行う日ではないため、家全体の掃除や大掛かりな清めを行う必要はありません。
あくまでヒヌカンを迎える場を整える、という意識で十分です。
 

 
 

香炉(ウコール)と灰の扱い

◇ヒヌカンの香炉(ウコール)の灰は、その家の出来事を受け止めてきたものと考えられています。
…そのため、下天の拝みの際に香炉や灰を新しく作り替える必要はありません。
 

 ●年末の上天の拝みで香炉の灰を整えている場合は、そのまま用いて問題ありません。
 
 …気になる汚れがある場合には、香炉の外側を軽く拭くなど、無理のない範囲で整えるとよいでしょう。

 
灰をすべて捨てて入れ替える、あるいは香炉を新調しなければならない、といった決まりはありません。
下天の拝みでは、これまでの流れを受け継ぎながらヒヌカンを迎える、という考え方が大切にされています。
 

 
 

下天の拝みで供える「うさぎむん(お供え物)」


下天の拝みで供える「うさぎむん(お供え物)」
下天の拝みで供える「うさぎむん(お供え物)」は、旧正月の華やかな御願とは異なり、比較的シンプルな内容が基本です。
 
ヒヌカンを迎えるための御願であるため、供え先はヒヌカンのみとなり、必要以上に品数をそろえる必要はありません。
 
大切なのは、特別なものを用意することよりも、清潔に整え、気持ちを込めて供えることです。
 
 

基本のお供え物一覧

下天の拝みで供える基本的なうさぎむんは、次のとおりです。
 

【ヒヌカン基本的なうさぎむん(お供え物)】
 
 ・供え葉(チャーギ、クロトンなどの葉物)
 ・お水
 ・お酒
 ・お塩(マース)
 ・香炉(ウコール)

 
これらは、日常の御願でも用いられる基本のお供え物であり、特別に新しいものを用意しなければならないという決まりはありません。
清潔な状態で整え、ヒヌカンの前に丁寧に供えることが大切とされています。
 
供え葉は、地域や家によって使われる種類が異なりますが、身近に手に入る緑の葉で問題ありません。
形式にこだわりすぎず、自分たちの暮らしに合った形で整えることが、無理なく続けるポイントです。
 

[ヒヌカンチィタチ(旧暦1日)・ジューグニチ(旧暦15日)のお供え物]
【沖縄の御願】1日15日の拝み方。詞とウサギムン

 
 

赤うぶく(赤飯)を3膳供える意味

◇下天の拝みでは、赤うぶく(赤飯、または赤いご飯)を三膳供えるのが特徴とされています。
…これは、旧正月を終え、新しい一年を迎える節目にあたり、家族の無事と平穏を願う意味が込められてきました。
 

 ●赤飯は、全国的な赤飯でなくても問題ありません。
 
 …黒米古米を混ぜて赤く炊いたご飯、家庭ごとの方法(食紅など)で赤くしたご飯でも差し支えないとされています。

 
重要なのは「赤いご飯」であることよりも、年の始まりにあたって気持ちを整え、ヒヌカンを迎える象徴として供える点にあります。
形式にとらわれすぎず、家のやり方で無理なく供えることが大切です。
 
 

ヒヌカン下天の拝み|線香の本数と拝し方


ヒヌカンの清め方と年末の拝み
下天の拝みでは、ヒヌカンに供える線香の本数にも意味があるとされてきました。
ただし、厳密な決まりが全国的に統一されているわけではなく、地域や家ごとに受け継がれてきたやり方が尊重されています。
 
基本を押さえたうえで、自分たちの家に合った方法を選ぶことが大切です。
 
 

基本はジュウゴフンウコー(タヒラ半)

◇ヒヌカン下天の拝みでは、ジュウゴフンウコー(十五本御香)を供えるのが基本とされています。
…沖縄線香(ヒラウコー)を用いる場合は、タヒラ半(2枚半)がこれにあたります。
 
この本数は、ヒヌカンへの御願で広く用いられてきた形であり、下天の拝みでも同様に受け継がれてきました。
香炉(ウコール)に横向きに置き、安定した状態で火を灯します。
 
線香を供える際は、本数を正確にそろえること以上に、火の扱いに注意し、最後まで見守ることが大切です。
特に沖縄線香はよく燃え、灰も出るため、周囲に燃えやすい物がないかを確認して行いましょう。
 
 

日本線香で代用する場合

現代の住宅事情や安全面を考慮し、沖縄線香ではなく日本線香で代用する家庭も増えています。
 

 ●日本線香を供える場合は、十五本分を目安として供えるとよいでしょう。
 
 …コンパクトな香炉など、すべてを同時に供えるのが難しい場合には、簡易版として日本線香五本を一組として供えるなど、無理のない形で行っても問題ありません。

 
略式であっても、ヒヌカンを迎える気持ちが込められていれば、失礼にあたるものではないと考えられています。
 
大切なのは、形式を守ることよりも、安全に、そして続けやすい形で拝みを行うことです。
家の事情に合わせて線香を選び、無理のない方法で下天の拝みを行いましょう。
 
 

一部地域に伝わる「下天の階段」


一部地域に伝わる「下天の階段」
下天の拝みでは、基本となる線香の供え方に加えて、一部の地域や家でのみ行われてきた作法があります。
 

 ●それが「下天の階段」と呼ばれる線香の拝し方です。

 
ただし、この作法はすべての地域で行われているものではなく、必ず行わなければならない決まりでもありません。
あくまで、特定の地域や家に伝わってきた習わしのひとつとして理解しておくことが大切です。
 
 

下天の階段とは何か

◇下天の階段とは、沖縄線香(ヒラウコー)を半分に割った状態(半ヒラ)で、一定の本数を複数回に分けて供える拝し方を指します。
…一度にすべての線香を供えるのではなく、前に供えた線香が燃え尽きる前に、次の線香を順番に並べていくことで、香炉の中に段差のような形ができることから「階段」と呼ばれています。
 

 ●この拝し方には、ヒヌカンが天から段階的に家へ戻ってくる様子を表している、という考え方が伝えられてきました。

 
ただし、本数や回数は地域や家によって異なり、五回行う家もあれば、七回行う家もあるなど、細かな違いがあります。
 
 

上天の階段との違い(左右の順)

下天の階段は、年末に行われる「上天(昇天)の階段」と対になる作法とされています。両者の違いは、線香を供える左右の順番にあります。
 

【階段の違い(一般的に伝えられている考え方)】
 
上天の階段では、左側から順に線香を供える
下天の階段では、右側から順に線香を供える
 
とされ、昇る動きと下る動きを左右の向きで表しています。

 
ただし、これもすべての地域に共通する決まりではありません。
下天の階段そのものを行わない家も多く、基本の線香を一度供えるのみで拝みを終える家庭もあります。
 
無理に取り入れる必要はなく、家に伝わっているやり方がある場合のみ、それを大切にすればよいとされています。
分からない場合は、基本の線香の供え方だけで十分です。
 
 

下天の拝みで唱える言葉(グイス)の考え方


マンションで行う屋敷の御願|トゥパシラヌカミ(戸柱の神)への拝み方
◇下天の拝みでは、ヒヌカンを迎える際に言葉を添えて拝むのが一般的です。
…このときに唱える言葉は「グイス」と呼ばれますが、決まった文言を正確に唱えなければならない、という決まりはありません。
 
沖縄の御願(ウグァン)では、ウチナーグチ(沖縄言葉)で語られる「クチムンナラーシ(言葉の習わし)」が伝えられてきた一方で、一般家庭では現代の言葉で拝んでも差し支えないと考えられてきました。
 
大切なのは、言葉の形よりも、ヒヌカンを迎える気持ちを整えることです。
 
 

決まった言葉がなくてもよい理由

下天の拝みは、強い願い事を並べ立てる祈願ではなく、年末に天へ帰っていたヒヌカンを無事に迎え入れるための御願です。
そのため、必ずこの言葉でなければならない、という決まりはなく、家ごとに受け継がれてきた言い回しや、心の中での祈りでも失礼にはあたりません。
 
言葉に迷ったときは、
「迎える日であること」
「これからの一年を見守ってほしい」

という気持ちが伝わることを意識するとよいでしょう。
 
 

現代の言葉で祈ってよいケース

現代では、日常の言葉でヒヌカンに気持ちを伝える家庭も多く見られます。
以下は、下天の拝みで伝えられてきたグイスの一例です。
 
ウティン(天)から「福徳」と共に下りてきて、この一年も家族の円満と安全を見守ってくださいますよう、祈ります。
 

【 ヒヌカンを迎える時の言葉 】
 
アリサーサーウートゥートゥー、ヒヌカンガナシー
(あな尊きヒヌカンの神様)
 
本日は、ウティンヌカミの元へ戻られております、
ヒヌカンガナシーをお迎えする日です。
 
どうぞ、福徳と共にお戻りくださいませ
 
そして、この家に住みます家族が皆、
穏やかで健やかに、
安全に過ごすことができますよう
お見守りください。
 
ヒヌカンガナシーを通しまして
ここにお祈りいたします。
 
ウートゥートゥー。」

 
…以上で、ヒヌカンを迎える「下天の拝み」は終了です。
 
このように、言葉の長さや表現に厳密な決まりはありません。
家族の暮らしに合わせて、無理のない言葉で気持ちを伝えることが、下天の拝みでは何より大切にされてきました。
 
 

まとめ|2026年も無理のない形でヒヌカンを迎える


沖縄の御願における「上天」と「下天」の考え方
◇下天の拝みは、旧暦1月4日にヒヌカンを迎え、新しい一年を穏やかに始めるための御願です。
…特別な祈願を強く願う行事ではなく、年末の上天の拝みと対になり、暮らしの流れを整える節目として受け継がれてきました。
 
準備やうさぎむん(お供え物)、線香の本数や拝し方には、地域や家ごとの違いがあります。
決まった形に無理に合わせる必要はなく、自分たちの家に伝わるやり方や、今の暮らしに合った方法で行うことが大切です。
 

 ●グイスについても、必ず決まった言葉を唱えなければならないわけではありません。
 
 …ヒヌカンを迎える気持ちを整え、これからの一年を見守ってもらいたいという思いを、無理のない言葉で伝えることが何より重視されてきました。

 
2026年も、形式にとらわれすぎず、家族の暮らしに寄り添った形でヒヌカンを迎えてみてはいかがでしょうか。
下天の拝みは、沖縄の御願が日常と深く結びついた文化であることを、あらためて感じさせてくれる行事です。
 
 



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