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沖縄の旧盆(お盆)料理の基本マナー|ジューシー・御膳・重箱料理の供え方

沖縄のお盆料理の基本マナー|ジューシー・御膳・重箱料理の供え方
◇沖縄の旧盆(お盆)では3日間を通して、ウンケージューシーや重箱料理ご馳走「ウサンミ(御三味)」、御膳などを供えます。
けれども、
「どの料理をどの日に?」
「重箱の並べ方は?」

など、いざ準備をしようとすると戸惑うことも多いのではないでしょうか。
 
本記事では、沖縄のお盆料理にまつわる基本マナーや、ウンケー・ナカビ・ウークイでの供え方の違い、重箱の構成や箸の意味などを、実例を交えてわかりやすく解説します。
 
形式にとらわれすぎず、ご先祖様への感謝がきちんと伝わる「心のこもったお供え」のヒントになれば幸いです。

 

※本記事は、公益財団法人「沖縄県メモリアル整備協会」が作成しています。地域の習わしを大切に、沖縄の暮らしに根ざした情報をお届けします。(2026年7月30日更新)

 



 
 

沖縄の旧盆(お盆)料理の基本


沖縄のお盆料理の基本とは?
◇伝統的な沖縄の旧盆(お盆)では、初日・中日・最終日それぞれに違うお供え物をして、ご先祖様をもてなします。
・初日ウンケー(御迎え)…ウンケージューシー
・中日ナカビ(ナカヌヒー)…如意素麺(ルーイゾーミン)、ぜんざい
・最終日ウークイ(御送り)…重箱料理「ウサンミ(御三味)」
 
このセクションでは、まずは沖縄のお盆料理の基本的な構成や、それぞれの料理が持つ意味について紹介します。
 
 

重箱料理「ウサンミ」とは|清明祭や法要にも登場する定番料理

◇「ウサンミ(御三味)」は、沖縄の供養行事で用いられる重箱料理に詰めるおかずです。
沖縄の旧盆では、最終日「ウークイ(お見送り)」に供えます。
「ウサンミ」は「御三味」と書き、海の幸・山の幸・地の幸をふんだんに詰め込んだご馳走を意味します。
豚三枚肉の煮付け
かまぼこ
結び昆布
…など、沖縄の伝統的なご馳走が詰められます。
 
このウサンミは、清明祭(シーミー)や法事などでも使われる定番料理であり、ご先祖様をもてなす、感謝を伝えるお供えです。
地域や家庭によって詰める内容はさまざまですが、いずれも「奇数品目」で用意するのが基本とされています。
 

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ジューシー・ウサチ・吸い物など、御膳料理との違い

◇一方、沖縄の旧盆2日目、ナカビには御前にお食事を整えた「御膳料理」を供えます。
献立は朝・昼・晩でそれぞれ異なりますが、基本的には一汁三菜です。
[一汁三菜の例]
・ご飯
・ウサチ(酢の物)
・汁物(吸い物)
・ウチャワキ(おかず)
…など
 
重箱料理のウサンミが「豪華なご馳走」であるのに対し、御膳料理は「日常の食事」と言えるでしょう。
「日々の暮らしをともに過ごす」ような気持ちで供えます。
 

 
 

朝・昼・晩の3度の御前

◇沖縄では旧盆期間中、家族と同じように、朝・昼・晩の3食の御膳を供えます。
そのため、ご先祖様が一日中滞在するナカビ(中日)に供える御膳は3食ですね。
 
基本的には前述した一汁三菜ですが、特に現代は、家族の食事と同じもので構いません。
むしろ、家族がご先祖様を囲む気持ちで、
自分たちと同じものを召し上がってください
と共食を楽しみます。
 
また、供えたあとは家族で手を合わせてから下げ、皆で分けて食べる「ウサンデー(お下がり)」も、沖縄らしいですね。
 
 

供えるタイミングと献立の基本


供えるタイミングと献立の基本
◇伝統的な沖縄の旧盆では、3日間を通して、それぞれ異なるお供え物をお出しします。
ウンケー(迎え日)・ナカビ(中日)・ウークイ(送り日)という3日間の流れに合わせた献立を用意し、ご先祖様へのおもてなしをするためです。
 
ここでは、日別に供える料理の内容と基本的な考え方をご紹介します。
 
 

ウンケー(初日)のお供え物|ウンケージューシー

ウンケー(初日)の料理|ジューシーと酢の物が中心
◇ウンケーはご先祖様をお迎えする日、「ウンケージューシー」を供えます。
「ウンケー」は沖縄で「お迎え」を意味し、「ジューシー」は沖縄風炊き込みご飯です。
 
ジューシーは、豚三枚肉の煮付けや、ニンジンなどの野菜を賽の目上に小さく切った具材も特徴的です。
また炊き込みご飯の出汁には、豚の出汁を使用します。
ご先祖様は夕方頃にお迎えするので、夕飯がウンケージューシーの御膳となります。
 

●初日ウンケーのお供え物(御膳)
・ウンケージューシー
…ショウガを加えた香り高いジューシー(沖縄風炊き込みご飯)
・ウサチ(酢の物)
…季節の野菜のお浸しなど、比較的あっさりした箸休めとなる料理
・葉の付いたショウガ
・ソーローハーシ(精霊箸=ご先祖様のお箸)

 
沖縄の旧盆初日に供える「ウンケージューシー」にショウガを加えるのには理由があります。
ショウガの強い香りが、ご先祖様と一緒についてきたチガリムン(浮遊霊や悪霊、餓鬼など)が嫌う香りとされてきたためです。
 
また、沖縄では旧盆初日のウンケーにお墓参りをする風習がある地域や家は少ないものの、なかにはお墓参りを済ませてから、仏壇にお供えをする家も見受けます。
 

【スタッフのマメ知識】
ウンケーのお食事はウンケージューシーの御膳のみですが、沖縄では旧盆期間中のお飾りやお供え物の準備があります。
 
ウンケーの日は朝からスーパーも混雑し、夕方のお迎え時間に合わせて、忙しくなる家が多いでしょう。
 
基本的なお供えの他、パイナップルやスイカなどの大きな果物(置台のガンシナも用意)、果物の盛り合わせ盆、ミフシウージ(3節分のさとうきび)×7本を束ねた飾り物、ウンケーダーグ(7個の白団子)、ナナフシウージ(7節分のさとうきびが2本)、ミンヌク(料理で出た野菜の切れ端など)などを準備します。

 
※ウンケーの飾り方・準備の仕方について、詳しくは下記コラムをご参照ください。
 

 
 

ナカビ(中日)の料理|三度の御膳と甘菓子も供える

ナカビ(中日)の料理|三度の御膳と甘菓子も供える
◇ナカビ(ナカヌヒー)は、朝から晩まで、一日をご先祖様と過ごします。
この日は朝・昼・晩3度の御膳を仏壇に供えて、家族で一緒に食事を楽しむ団らんの一日です。
 

●ナカビ(ナカヌヒー)の御膳
・朝ご飯「ヒミティムン(朝飯)」
[一汁三菜]ご飯、おかず(煮物など)、味噌汁(吸い物)、酢の物、など。
 
・昼ご飯「アサバン」
…如意素麺(ルーイゾーミン)
(にゅう麺のようなそうめん汁)など
 
・夜ご飯「ユウバン」
…ご飯、みそ汁、ご馳走のおかず、など
 
・番外編「おやつ時間」
…あまがし、果物など

 
沖縄県南部地域など、ナカビ(ナカヌヒー)のご馳走として、ふかした芋類を供える家もあるでしょう。
いずれにしても「ご先祖様が自宅に滞在している日」と考え、日常の食事のようにきちんと時間を分けて供え、家族と一緒に食事を楽しむ気持ちが、丁寧なおもてなしにつながります。
 

 
 

ウークイ(最終日)の料理|重箱料理「ジューバク」

ウークイ(最終日)の料理|ウサンミとウチカビで見送り
◇ウークイは、ご先祖様をお見送りする最終日。
この日には、沖縄の重箱料理「ジューバク」に詰めたご馳走「ウサンミ(御三味)」や、もち・果物などを豪華に供えてお見送りします。
 

●重箱料理に詰めるおかずは、7品・9品など奇数品目
(定番メニュー)
・紅白かまぼこ
・豚三枚肉の煮付け
・結び昆布
・魚の天ぷら
・大根やゴボウの煮付け
・厚揚げの煮付け
…など。
 
●旧盆のもち重は奇数個を並べる
(お祝い事として、よもぎもちやあんこもOK)
・白もち
・紅もち
・よもぎもち
・あんこ入りもち
…など。

 
全国的な「もち(餅)」は、もち米をついて作ったおもちですが、沖縄ではもち粉を使用して作ります。
三回忌などの供養ではしろもちのみを供えますが、沖縄で旧盆はお祝い事にあたるので、初盆でない限りはあんこ入りやよもぎもちなど、色が付いていて問題はありません。
 
またウークイでは供えたおかずを、手土産としてまとめてご先祖様へ渡し、お見送りをします。
※重箱料理の詰め方、供え方、並べ方について、詳しくは下記コラムをご参照ください。※ご先祖様をお見送りする「ウークイ」の儀式について、詳しくは下記コラムをご参照ください。
 

 
 

重箱料理ウサンミの供え方マナー


重箱料理ウサンミの供え方マナー
◇ウークイに供える重箱「ジューバク」は、沖縄では定番のお供え料理です。
そのため、詰めるおかず「ウサンミ(御三味)」の内容だけでなく、供え方・並べ方にも、昔ながらの習わしがあります。
ここでは、沖縄ならではの重箱料理ウサンミの供え方マナーを、ポイントごとに整理してご紹介します。
 
 

料理の数は奇数|7品・9品などが基本

料理の数は奇数|7品・9品などが基本
◇重箱料理「ジューバク」のおかず「ウサンミ(御三味)」は、奇数品目を詰めます。
7品または9品が一般的で、これは「縁起が良い」とされる奇数を重視する沖縄の供養文化に由来しています。
 
沖縄の旧盆では賽の目に詰めるので、9品で整えるとバランスが良いでしょう。
大きな重箱は21cmサイズが多いので、用意するおかずを7cmで整えることで、キレイに整えることができます。
 

●もともとは中国から由来した風習と言われ、奇数は「陽の数字」とされるためです。
仏事や祝い事で重視される傾向があり、偶数は分かれることを連想させるため避けられるのです。

 
沖縄の旧盆ウークイで、重箱料理に詰めるおかずの定番は、豚三枚肉の煮付け、結び昆布、紅白かまぼこの3点があります。
定番の詰め方として、中央に紅白カマボコとし、カマボコの上に結び昆布、カマボコの下に豚三枚肉の煮付けを詰めると、色どりが良いです。
 
 

おかず重・むち重(餅重)の並べ方|基本は左右、仏壇によっては縦並びも

おかず重・むち重(餅重)の並べ方|基本は左右、仏壇によっては縦並びも
◇重箱料理は、集まった家族・親族の人数に合わせて、供えます。
「カタシー(片方)」…おかず重1段+もち重1段=2段重
「チュクン(両方)」…おかず重2段+もち重2段=4段重
広く沖縄では「おかず重1段+もち重1段=2段重」を1組として数えます。
 

●基本の並べ方(左右)
・仏壇に向かって左側…おかず重
・仏壇に向かって右側…もち重

 
チュクン(両方)を用意したものの、2段に重ねて供えることもあります。
また、近年では仏壇がコンパクトになったことから、縦に重箱を並べることも増えました。
この場合、仏壇に近い側から「おかず重」、手前に「もち重(むち重)」の順番に並べます。
 

●縦並びでの重箱の供え方(ミニ仏壇・手元供養向け)
・一番奥(仏壇に近い側)…おかず重
・手前側…もち重(むち重)

 
重箱のフタは外し、料理が見えるようにして供えるのがマナーです。
ただ、虫や臭いが気になることもありますよね。お食事までに時間があるようならば、ラップを掛けて対応するのも良いでしょう。
 
※重箱料理の詰め方、供え方、並べ方について、詳しくは下記コラムをご参照ください。
 

 
 

御膳料理の配膳マナーと実例


御膳料理の配膳マナーと実例
◇沖縄の旧盆では、中日(ナカビ・ナカヌヒー)に3度の御膳を供えるのが一般的です。
献立の内容は前章でご紹介した通りですが、ここでは実際に仏前へ供える際の供え方に絞ってお伝えします。
 
 

配膳の作法|線香(ヒラウコー)を焚くタイミングにも注意

◇御膳を供える際は、お線香を供えてお出ししましょう。
 

【御膳の供え方】
● 食器の向きは、ご先祖様から見て正面に整える
● 飯椀(ご飯)は左、汁椀(味噌汁)は右
● お線香を供えるのは食事を出す直前

 

【お線香の本数はサンブンウコー(三本御香)】
・日本線香の場合…3本、もしくは1本
・沖縄線香ヒラウコーの場合…半ヒラ(縦半分に折る)

 
料理を供えたら、「どうぞお召し上がりください」と手を合わせ、ご先祖様に心を込めて感謝を伝えましょう。
 
 

家族で食べる料理を供える現代スタイル

◇近年では、洋風の食事などでも、家族がいただく食事をご先祖様にも供えるスタイルが一般的です。
基本的には一汁三菜の御膳ですが、それよりも旧盆期間中を家族もご先祖様もくつろいで過ごす日として、より気軽に整える家庭が増えました。
また、大皿で家族が食事をいただく際、それを最初に取り分けて供えるケースも増えています。
 

●家族で食べる料理との取り分け
①ウハチ(お初)を供える
…家族に用意した料理を、家族が食べる前に、最初に取り分ける
(初めのひと口を、ご先祖様へ食べていただく)
②ウサンデー(お下がり)
…仏前に供えた御膳料理を下げた後、家族で食べる
(食後は「一緒にいただきました」と報告する)

 
このように、無理なく続けられる供養方法が今も残り、家庭や地域の事情に合わせた柔軟な考え方が広がっています。
家族の暮らしのなかで、ごく自然に供養を取り入れていく姿勢が尊ばれています。
 

【お客様の体験談】
仏壇も小さく、家族のみで迎える我が家の旧盆では、あまり気負わずに少し奮発したくらいのお食事を供えています。
 
母の位牌を祀る仏壇には、母が好きだった肉じゃがやサーターアンダギーを供えるなど。「〇〇の美味しいアンダギーを買ってきたよ」などと伝えて供えています。
 
生前に母がお墓参り行事「シーミー(清明祭)」で作る重箱料理も、子どもたちが喜ぶおかずが詰められたオリジナルでした。
 
そのため、小さな重箱2段のカタシー(片方)で整え、おかずの内容もエビフライや肉巻きキンピラなど、母が生前に好きだったおかず、家族が喜ぶおかずを詰めています。

 
 

まとめ|料理にも想いを込めてお迎えとお見送りを


まとめ|料理にも想いを込めてお迎えとお見送りを
◇沖縄の旧盆では、ご先祖様をおもてなしするために、「料理」を大切にしてきました。
・初日ウンケー…香り高いウンケージューシーと酢の物
・中日のナカビ(ナカヌヒー)…朝昼晩の御膳とおやつ
・最終日ウークイ…重箱料理「ジューバク」のご馳走「ウサンミ(御三味)」
その一つひとつに、先祖を敬う気持ち、ご先祖様を囲んで楽しむもてなし方が見えてきます。
 
また、近年では家族の食事を取り分けて供えたり、故人が生前に好きだったおかずを供える家も増えていますよね。
形式に縛られず、暮らしの中で供養の心を伝える工夫も見られます。
 
2026年沖縄の旧盆は、ご先祖様をもてなしながら、家族も美味しい・楽しい3日間を過ごしましょう!
 
 

【監修者:東恩納 寛寿(ひがしおんな ひろひさ)】
東恩納写真
公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会 終活支援部長

 

●経歴
19XX年、沖縄県名護市出身。
米国・南ユタ大学コミュニケーション学部卒業。
県内大手建設会社勤務を経て、2007年に公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会に入社。長年、お墓の企画提案や販売業務の第一線に従事し、中城メモリアルパーク所長を歴任。現在は終活支援部長として、沖縄の供養文化と現代のニーズを繋ぐ活動に注力している。

 

●資格・活動
・終活カウンセラー1級(沖縄県初取得者)
一般社団法人 全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部 幹事

 

●実績
県内各自治体、社会福祉協議会、医療法人、老人ホーム等での出張セミナーや講演を累計500回以上実施。沖縄タイムス等のメディア寄稿を通じ、相続や空き家問題、墓じまいに関する啓発活動を行っている。

 
 



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